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 なにはともかく、やってみよう!?
 TRPG版『無限のファンタジア』の体験日記です。
 登場人物の紹介はこちら。                          画:888

TRPGって?
キャラメイク
冒険開始!
GMに挑戦
終章


第11話 〜自己紹介! 相手は僕をどう見ている?〜
○月△日
 キャラクターも完成。
 旅団も準備万端。
 後はTRPGが始まるのを、新たな冒険が始まるのを待つばかり………なんだけど。

「どうやらキャラクターが揃ったみたいだね。じゃあ、順番に自己紹介してもらおうか。あ、自己紹介って言っても、キャラクターのだからね」
 と、GMが提案する。
 自己紹介!? えっと……どうやればいいんだ!?
「普通にキャラクターの紹介をしてもらってもいいけど……せっかくだから、自分のキャラクターになりきって紹介してみようか。まずは団長さんから」
「えっ!? 僕からですか?」
「名前と冒険者を言うだけでいいよ……たとえばこんなふうにね。『ぼ、僕は……ヒトの武人のランドっていうんだ……よ、よろしく』とかね」
 GMは、試しにちょっと気弱そうなランドを演じてくれた。
 なるほど、そんな風にやればいいんだ。
「さあ、次は本番。団長さん、頑張って!」
 GMに促されて、いよいよ僕から自己紹介が始まる。
 ちょっと緊張するけど、皆の団長になったわけだし、頑張らないと!

 僕は椅子に座ったまま、けれど、声はやや大きくして、自己紹介を始めた。
「オッス! 今回、団長になったランドだ。ヒトの武人をしている。俺も初心者というか、冒険者になったばかりで頼りないかもしれないけど、精一杯頑張るつもりだから、皆、よろしくなっ!!」
 ………こ、こんな感じでいいのかな?
「うん、なかなか上手じゃないか。その調子で今回のセッションも頑張ってね。では次は……」
 GMは拍手しながら、次のメンバーの紹介を促す。
 ベテランプレイヤーさんのキャラクターは、真面目なドリアッドの青年医術士。
 無限のファンタジアをプレイするのが初めてというプレイヤーさんのキャラクターは、ストライダーの翔剣士。元気な猫尻尾の女の子だ。



「じゃあ、最後は私ね」
 最後は美咲ちゃんの番だ。すっと美咲ちゃんの瞳が僅かに細められる。
「私の名はショウ。セイレーンで邪竜導士をしている。どうやら、ランドとは腐れ縁とやらになったらしく、いつの間にか、やつの旅団に入団させられていた。だが、入ったからには皆の力になれるよう協力していきたいと思う。よろしく頼む」
 いつもとは違う、美咲ちゃんの抑え目の声。それがまた格好いい……。
 なんだか美咲ちゃん、かなり慣れてる?
 頭を下げた美咲ちゃんは、次にキャラクターシートを皆に見せた。
「ちなみに、ショウの顔はこんな感じになります」
「す、凄いっ!!」
 思わず声をあげてしまった。
 美咲ちゃんのキャラクターシートには、上手で格好よいショウの肖像画が描かれていた。
 それは、まるで僕が大好きなイラストレーターの888さんが描いたみたいに上手だった。
「あ……ありがとう」
 僕の言葉に美咲ちゃんはちょっと面食らって、それからちょっと照れているようだった。

「うん、ショウ君の紹介もオッケーだね。これで、全員自己紹介は終わったね」
 GMの言葉に頷く僕達。


「じゃあ、感情を結ぼうか」
「感情って何ですか?」
 翔剣士のプレイヤーさんがGMに訊ねた。
「自分のキャラクターが、相手をどう思っているかを決めるんだ。旅団シートにある感情表から選んでね。ダイスで決めてもいいし、好きなように選んでも構わないよ。団長と他1名を選んで、感情を決めるんだ。あっと、団長は団員2名を選んで感情をつけてね」
 基本は団長と他1名(選択)に感情をつけるようだ。
 ただ、団長だけは他の2名(選択)に感情をつける事になる。
 団長だけ違うから、気をつけないと。
「団長にライバルを、彼女には守護をつけます」
 美咲ちゃんがGMに告げる。ランドにライバル、ストライダーの翔剣士に守護をつけたようだ。
 これは………。
「GM、ランドはショウにライバル、医術士のお兄さんに信頼をつけます」
 僕もショウに対してライバルを付けてみた。
「あら、ライバル同士になっちゃったわね?」
「駄目だった?」
「いいえ。これからが面白そうね」
 にこりと笑みを浮かべる美咲ちゃん。うっ、か、可愛い……。
 いやいや、今はTRPGだ。集中しなくっちゃ!
「あ、そうだ。ランド団長。君の旅団の名前は何かな?」
「旅団の名前?」
 そういえば、決めていなかったっけ……どうしようかな?
 ランドがつけるんなら、格好よくて強そうな名前だよな……。
「あの、『シルバーウイング』ってのはどうですか?」
 PBWで所属している旅団名の『白銀の翼』をもじって名づけさせてもらった。
「まあまあね」
「格好いいし、いいと思うよ♪」
「うん、良いんじゃないかな」
 どうやら、皆も了解してくれたようだ。
「決まりだね。これで準備は全て終了だ。皆、冒険を始めよう!」
 GMの言葉に、皆は頷いた。
 どんな冒険が僕らを待ち受けているのか、団長を演じる僕は、緊張しながらもこれからの冒険に胸をときめかせていた。



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