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 なにはともかく、やってみよう!?
 TRPG版『無限のファンタジア』の体験日記です。
 登場人物の紹介はこちら。                          画:888

TRPGって?
キャラメイク
冒険開始!
GMに挑戦
終章


第17話 〜おめでとう! 依頼達成!〜
○月△日
 村人から頼まれたグドン退治。
 グドンのいる洞穴を見つけて、ランド達はグドンを退治したんだ。
 途中、強い敵が出てきて、ランドが倒れてしまうハプニングもあったけど……キマイラ化したお陰で、美咲ちゃんが演じるショウを助ける事ができたし、それにお礼も言われちゃったし……。
 いやいや、そうじゃなくって。
 とにかく、無事、ランド達は依頼を果たす事ができたんだ。



「村に戻ったランド達は、村人達から感謝の声をかけられるよ。村長はこう言うよ。……本当にありがとうございました。僅かではありますが、路銀の足しにしてください」
 やったっ! 報酬をゲットだ!
 何だか、嬉しくなっちゃう瞬間だ。
「そうそう、ショウが捕まえた子供も寄ってきてこういうよ。ありがとう、お兄ちゃん。これで皆と一緒に森で遊べるよ」
「よかったなといって、子供の頭を撫でます」
 美咲ちゃんも嬉しそうだ。

「………皆、お疲れ様。これで今日のセッションは終了だよ。さて、報酬とEXPを計算してみようか」
 そういって、GMが説明を始める。
「まず報酬だけど、今回は一般的な依頼ということで、各キャラクターに1ポイントずつ入るよ」
 僕達はさっそく、裕福度を1増やした。
「もちろん、報酬は依頼の内容によって、いろいろと上下していくから、覚えておいてね。次に経験値を計算していこう。旅団シートを見てもらえるかな?」
 そういえば、途中途中、旅団シートにチェックしていったっけ。
「EXPは、旅団シートにある掟をどれだけ実行したかによってもらえるんだ。もちろん、プレイ時間も加味されるよ。ちなみに今回のプレイ時間は5時間だから、5マス分チェックしてね」
 さあ、どれだけEXPがもらえるのか、見ていこう!

 今回、ランド達の旅団の掟は下記の通りになる。

プレイ時間(実際にTRPGを遊んだ時間):■■■■ ■□□□
「ここからが見せ場」(誰かが負傷状態になる):■■■
「魂の絆」(一度のグリモアエフェクトで2人と同時に感情を結ぶ):■□□
「冒険者のお仕事」(依頼を成功させる):■
「一撃必殺」(クリティカルダメージで敵を倒す):■■□
「唯我独尊」(グリモアエフェクトで自分が一番低い目を出す):■□□
「剣の誓い」(NPCに重要な誓いを立て、それをセッション中に達成する):□

 EXPの計算は[掟のチェック数×旅団レベル×10=獲得EXP量]なので、今回は13×1×10で130点を獲得できる!
「あ、ランド君はキマイラ化したから……半分の65ポイントだよ」
 うう、何だかちょっと皆が羨ましいかも。
「これで報酬とEXPの計算は終了だよ。……まだ時間があるから、レベルアップや、新しいアイテムの購入方法も説明しようか」
 1から2にレベルアップするには、151のEXPがあるから……よかった、ランドもレベルアップできる!
「次は能力値を成長させよう。まずは基本ルールブックの【145ページ】にある『能力値の成長表』を見てね。この表にあるレベル2の項目が、書き写す値になるよ」
 まず、レベル2の項目を見る。ランドの体だと成長度は24だから26になるんだ。技だと成長度が10だから11。心だと成長度が15だから16になる。
「成長度はそのままで、能力値だけ書き直すんだ。成功レベルを出す表もね。終わったら、イニシアチブやHP、CP、負傷HPの修正も忘れずにね」
「できました」
 こうして、晴れて僕達もレベルアップ!
「今度は幸運度の回復も行っておこう。幸運度はプレイ時間分回復するよ。今回は5時間だから……」
「5ポイント回復するんですね」
「そのとおり。あ、ランド君は、キマイラだったね。幸運度をもらわなければ、そのままキマイラ状態を維持できるけど……」
「幸運度もらいます」
 グリモアエフェクトを使える方がいいと思い、幸運度をもらった。その代わり、もうキマイラ状態は終了。また幸運度を減らすか、戦闘不能にならないとキマイラ化はできなくなる。
 またピンチになった時とかになろうかな……なんてね。
 でも、幸運度をもらわずにそのままキマイラ化を続ける事もできるんだ。それはそれで、ダークヒーローみたいで格好いいな。この次のセッションで試してみるのも、面白そうかも?
「次は称号と性格について説明しよう。レベルアップしたら、自分の好きな称号に変更できるんだ。たとえばシルバーウイングの団長・ランドとかだね」
 へえ、レベルアップしたら、すぐに称号を変更できるんだ。PBW版では5レベル毎にしか変更できないから、ちょっと嬉しいな。
「性格はどれか1つを1マス分、ずらす事ができるよ。たとえば、今回の依頼で感情的に行くと大変な目に遭う事を学んだから1マス分、理性的にするという感じに考えていくと、楽しくレベルアップできると思うよ」
「あのー、武器とか新しくしたいですー」
 翔剣士のプレイヤーさんが提案する。
「じゃあ、次にアイテムを購入してみよう。2レベル以上の武器・防具・盾・アクセサリーは、どれでも1つ裕福度を1消費して購入できるよ。ただし、レベル以上の物は買えないから注意して。今回の場合は、レベル2までの武器や防具などが買えるって事だね。あっと、アクセサリー以外は、キャラクターのクラスによって装備できない物もあるから、買うときは確認してね」
 武器とかも好きなように買い換える事ができるんだ。
「他にも、武器や防具、盾をカスタマイズする事も可能だよ。2レベルだと、武器の精錬はできないけど、強化属性をつけたり、アイテムアビリティを付けたりする事ができるかな。でも、お気に入りの武器が見つかってからでも遅くはないと思うよ。カスタマイズについては、基本ルールブックの【161ページ】を見てね」
 武器や防具、盾は、カスタマイズして強化させる事もできるんだ。
 残念なところは、アクセサリーを強化する事はできないって事かな。
「あ、それと今回レベルアップしたキャラクターで遊びたいって場合は、一度、GMの許可をもらってね。シナリオによっては使えない場合もあるし、キャラクターを一から作り直した方が面白い場合もあるからね。……さて、説明はこれくらいかな? 他に質問はあるかな?」
 どうやら、特にないようだ。

「じゃあ、そろそろお開きにしようか。あっと、その前に……今回実際にセッションに参加したわけだけど、どうだったかな?」
「うーんと……ボスが強かったでーす!」
 元気良く翔剣士のプレイヤーさんが答える。
「そうだね、僕も反省しているよ。ちょっとやりすぎちゃったしね。次からは気をつけるよ。ランド君は?」
 突然、話を振られて、ちょっと驚いたけど。
「とっても面白かったです! まさかランドが戦闘不能になるとは思わなかったけど、見せ場とかももらっちゃったし、凄く楽しかったです」
「よかった。そう言ってもらえて、僕も嬉しいよ」
 と、GMにセッションの感想を告げたところで、コンベンション終了時間になってしまった。
 まだまだ話したかったけど、皆忙しそうだったし、何より美咲ちゃんが用事があってこの後直ぐに帰らなくてはならないらしい。
 日も暮れてきているし、家まで送ってあげた方が安全だよな。
 僕と美咲ちゃんはそろって、会場を後にした。



「今日のセッション、なかなかよかったわ。……また誘ってもいいかしら?」
 え? そ、それって………。
「も、もちろん!」
「じゃ、何かあったらまたメールするわ。じゃ、またね」
 そう言って立ち去ろうとする美咲ちゃんの手を掴む。
「ま、待って。夜も遅いし、送るよ」
「わざわざ送らなくてもいいわ。この近くで両親と待ち合わせしているの」
 な、なるほど……それなら家まで送らなくても平気そうだ。
 何だかちょっぴり寂しい……。
「じゃあ、行くわね」
 そそくさと立ち去る美咲ちゃんを見送って、僕はそのまま帰宅した。
 まだ、セッションの興奮が冷めないまま……。




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