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◆ファントム四天王

　その城は表から見るほど大きなものではなかった。思えば1ヶ月で作り上げたものだ……そこまで手の込んだものは作れなかったのだろう。表でペンタゴンとギンが騒ぎ出すのを見計らい、サクヤは裏の堀を泳いで城へと潜入していた。

サクヤ：足跡にならない程度には濡れた服を絞っておく。それから忍び込む。
ＧＭ：いちいち演出が細かい。
サクヤ：プロの忍びだからな。
ＧＭ：……ではお城に入ったところで――
サクヤ：≪ハイドインシャドウ≫（コロコロ）……成功。周囲に溶け込み状況確認、安全だと解ったら城を捜索する。
ＧＭ：………………。
サクヤ：もっとも、予定通りに表で騒ぎが起こったのでグドン達の殆どは表に回ったはずだがな。
ペンタゴン：予定通りかよ（笑）
ギン：オラ達囮に使われただか！？
ペンタゴン：ま、なんとなくそんな気はしていたがな！（笑）
ＧＭ：それなら……確かに敵には見つかりませんね……やがて、廊下の先に階段が見えてきます。二階と地下に行く両方の階段です。そしてその前に1人の仮面を付けたエルフ（男）が弓を持って立っています。
サクヤ：他の敵は？
ＧＭ：いません。
サクヤ：敵に見つかる前に廊下の角に隠れて――姫の敵は1人でも少ない方が良い……――奇襲する。突然飛び出して問答無用に攻撃。
ＧＭ：良いでしょう。戦略ポイント＋4を差し上げます――「な、なんだ貴様は！？」
サクヤ：「死に行く者に、名乗る名は無し……」
ＧＭ：「くっ、僕をファントム四天王の1人だとわかっての所業かい？　正気の沙汰とは思えないね！」
サクヤ：「死ね……我が姫の為に！」


　グドンの囲みを突破したペンタゴンとギン、城にそのまま突入して右も左もわからず兎に角走りまくる。そして、ある角を曲がった先に――

ＧＭ：ではペンタゴンとギンはサクヤが戦っている場所に到着します。
サクヤ：やれやれ……予想より早かったな。
ペンタゴン：サクヤ！
サクヤ：気をつけろ…こいつは侮れない相手だ。できれば1人で露払いを終らせときたかったのだがな……――プレイヤー的には能力値が同じで決め手が無く、ＨＰの削りあいだったので助かる（笑）
ギン：もうオラ達が来たんだぁ！　安心するだよ！
サクヤ：ふん。
ペンタゴン：まだ動けるなサクヤ、さっさとケリ付けるぜ？
サクヤ：……無論だ。
ＧＭ：では仕切り直しという事で、再びイニシアチブから振り直しましょうか。

◇ イニシアチブ ◇

［1］サクヤ（32）
［2］ペンタゴン（22）
［3］ファントム四天王・牙狩人（21）
［4］ギン（20）

ペンタゴン：［戦略ポイント］はこっちが「士気高揚」＋2で良いか？
ＧＭ：良いでしょう。2点ぐらいあげます。まずはサクヤです。
サクヤ：ここは一気に決める。2人が追いついて来たからな……グリモアエフェクト！

○解説19　「グリモアエフェクト」

　グリモアの加護によって発揮される力――それが［グリモアエフェクト］です。使用者はまばゆい光に包まれ、仲間の想いを集めて力とします。
　グリモアエフェクトを使用すると、幸運度を消費する代わり、なんと仲間全員にｄ20を振ってもらって、一番低い目をダイスロールに使うことができるのです。しかも一番低い目を出した人が複数いれば、成功レベルは2倍3倍と増加していくのです！
　さらに、グリモアエフェクトには「一番低い目を出してくれた仲間と感情を結ぶ」という副次効果まで付いてきます。

　使えば絶大な威力を発揮し、しかも仲間との絆も深まっていく。
　そして、何だかみんなで一緒にダイスを振るのが楽しい！

　グリモアエフェクトは、セッションで最も盛り上がる箇所のひとつでしょう。

ペンタゴン：よし、行けサクヤ（コロコロ）……13！
ギン：（コロコロ）……オラは15だ！
エレナ団長：ここに登場してなくっても振れるの？
ＧＭ：もちろん振れます。振らない／拒否するって言うなら振らないのも有りですが（笑）
エレナ団長：振るよ！（コロコロ）……5！
ナー：……わたしは6です〜。
サクヤ：……う、一番低いのは自分で出した「3」だ（笑）
ペンタゴン：おーい、もっと仲間を信じようぜ（笑）
サクヤ：せっかくペンタゴンとギンジロウが来てくれたが……やはり、ここは自分が殺る！　4レベル成功の技ダメージ11点だ。
ペンタゴン：なら俺もグリモアエフェクト！　こんな所で止まってられるか！（コロコロ）……自分は19！（笑）
ギン：（コロコロ）……オラは4！
サクヤ：……10だ。
エレナ団長：1！　ガンバレー！（笑）
ナー：わたしは15でしたー。
ペンタゴン：うおおおおお！　団長の声が聞こえてくる！　1だからクリティカルだ！！！

○解説20　「クリティカルダメージ」
　攻撃ロールにおいてダイスの出目が「1」だった場合、［クリティカルダメージ］となります。その場合、攻撃側の最終的なダメージを2倍にします。また、ＨＰ回復アビリティの使用時にクリティカルダメージが発生すると、回復量が2倍になります。

ペンタゴン：団長のおかげで8レベル成功！　ダメージは19点の倍で38点！
ＧＭ：ギリギリまだ死なない！――「おのれ……2人が来たからどうだって言うんだ！　お前達は僕が全員殺すんだ！　まとめて死ねー！」――5ｍ下がって≪ナパームアロー≫（コロコロ）……2レベル成功！　範囲攻撃なので全員【技】で避けてみろ！
ペンタゴン：（コロコロ）……おお！　4レベル成功で避けたぞ！
サクヤ：（コロコロ）……ちっ、まずいな。1レベル成功で回避失敗だ。
ギン：……オラも1レベル成功、回避失敗しただよ。
ペンタゴン：サクヤ、やばいのか？
サクヤ：さりげなく負傷ＨＰ。
ペンタゴン：しょうがねー！　戦略ポイント使ってサクヤを［かばう］ぞ。
サクヤ：余計な事を……。
ペンタゴン：自動的に［ガード］状態！　おら来い！
ＧＭ：ダメージは24点です。
ギン：負傷ＨＰになっただ。
ペンタゴン：18点だけ来た……ま、だからどうした。負傷ＨＰにさえいかんわ！
サクヤ：すまんペンタゴン。
ペンタゴン：お前は俺のライバルだからな、こんな所で死ぬんじゃねーよ。
サクヤ：ふん……（笑）
ＧＭ：次はギンです。
ギン：オラ、ちょっと怒っただで……必殺！『紋章閃≪エンブレムシュート≫』！――グリモアエフェクト使用！　オラは（コロコロ）……17！
一同：『（コロコロ）……』
ナー：一番低いのはわたしの3です〜。
ギン：オラには解る！　ナっちゃんがオラの事を応援してくれてっ事を！（笑）　4レベル成功の24点！
ＧＭ：（コロコロ）……駄目だ。1対1の時の負傷が治ってないし、今ので落ちた――「そんな……この僕が負けるなんて……しかし、この上には他の四天王が3人控えている……ここに攻め入った事を後悔するんだな……」――ガクッ。
ギン：ベタベタな台詞で死んだもんだでよ（笑）
ペンタゴン：さて、負傷ＨＰじゃないなら10分休めは回復するんだろ？

○解説21　「ＨＰと負傷HP」
　無限のファンタジアではＨＰの回復はかなり楽です。ＨＰは負傷ＨＰ（最大値の半分）以下にならない限り、簡単な応急処置と10分間の休息で全快します。ただし負傷ＨＰ以下になった場合、アビリティで回復するか24時間以上の休息を取るしか回復の方法がありません。

ペンタゴン：俺は10分休んで全快しよう。さぁ先に進むぞ！
ギン：んだら負傷ＨＰで回復しないオラは言うだよ――こっから先はオラには無理だぁ……ペンタゴン頼む。
サクヤ：さすがに39点もくらっているしな――これ以上は私も無理だ。あとはお前に……。
ペンタゴン：お前等……ああ、後は俺に任せとけ！！――と言いたい所だが、さすがに1人で行くのは危険だろう？（笑）
ＧＭ：では［葛藤チェック］の＜感情＞指定で振って下さい。成功すればギンとサクヤの心意気を継いで次の階へ、失敗すれば命の危険を感じてここに留まれます。
ペンタゴン：よしわかった！（コロコロ）……――

　そしてペンタゴンは1人、2階への階段を登って行ったのだった。



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