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◆天守閣の戦い

 そこは四方の壁が吹き抜けになっている部屋だった。天守閣の壁をすべて吹き抜けにしたような作りであり、外からの風が中まで吹き込んでくる。眼下の四方には東西南北の村々が小さく見え……そして――

GM:階段を上がると部屋の中心、大黒柱付近に出ます。そして壁が吹き抜けの天守閣の中央に、1人の初老の男性が立っています。さらにその後ろに怪しい女性の石像が一体置いてあります。
ペンタゴン:明らかに護衛の石像系モンスターだな。
GM:「ほう……ここまでやってくるとはな」
エレナ団長:あなたの野望もここまでよ! 私達【エンドレスピース】旅団がこれ以上の悪事は許しません!
GM:「ふん……威勢の良いお嬢さんだ。ここまで来たと言う事は、わしの集めた他の4天王は全て撃破したと言う事か……」
サクヤ:くだらない奴等ばかりだったがな。
GM:「そうか……ではどうだ? わしと手を組まないか? わしはいずれこの世界を支配する者だ。今手を組むのなら、世界の半分をお前達にやろう」
ナー:そ、それは世界のあらゆる食べ物の半分をもらえるという素敵過ぎる提案ですね〜?(笑)
GM:「食べ物はやらん。飲み物をやろう」(一同笑)
ナー:微、微妙です……。
GM:「そこの小さいのはどうだ? 何か欲しいものがあるんじゃないか?」
ギン:オラか? オラはもっと強くなりてーだ!
GM:「無理だ」
ギン:無理じゃねーだよ! なんでおめに決められなきゃならねーんだ!(笑)
サクヤ:何と言うか……手を組む気は無いのか?(笑)
GM:「ふっふっふっ……」――って、なんかペンタゴンは静かですね?
ペンタゴン:ああ、俺は今――(仲間にならないか……だと? さてはこいつ……団長が狙いか!)――と脳内で燃えたぎってるから(笑)
エレナ団長:先に言っておきます。どんな条件を出されても力で弱者を支配するあなたを、私は絶対に許さない。条件を出すのはこちらの方よ。素直に謝ってこれ以降、こんな事はしないと誓うなら許してあげる!
GM:「なんじゃと?」
ペンタゴン:言った通りだよ爺さん。俺らの力がどの程度か……見せてやるよ?――と、近くの壁に向かって――
GM:あ、壁は吹き抜けなのでありません。近くに柱とかなら大きいのがありますが……。
ペンタゴン:じゃあその柱で良いや。そこに思いっきり≪大地斬・改≫(コロコロ)……1レベル成功で17点だけど、柱は建造物だから2倍! ダメージ34点!

 ――ペンタゴンの一撃が叩き込まれると、その柱がビシビシと縦に亀裂が入った。

GM:「なんじゃと!?」
ペンタゴン:ちっ、ヒビ入っただけか……俺の妄想だと、派手に爆砕してそれにビビッた敵が降伏――エレナ:『戦わずして解決するなんて……ペンタゴン……素敵♪』――となる予定だったんだが(笑)
ナー:そ、そんな事の為にずいぶん演出を無駄に……(笑)
ギン:しかも壊れてないだよ(笑)
ペンタゴン:うるさい! 今日はちょっと調子が悪かったんだよ!(笑)
GM:ファントム四天王最後の1人である、初老の男はちょっと驚きながら言います――「お、お前は……なんて事をしてくれたんだ!?」
ペンタゴン:………………は?
GM:「それが何だかわかって言っているのか!?」
ペンタゴン:何言っているんだこの爺さん?
サクヤ:あ、なるほど……ふっ、愚かだなペンタゴン(笑)
ペンタゴン:おい! 何笑ってんだよ!
サクヤ:ペンタゴンが今殴ったのはさっきGMが言っていた大黒柱だと思う。つまり――
ナー:た、大変な事態が起こりそうです〜!
エレナ団長:もしかして……このお城倒壊!?
GM:そうなりますね。
エレナ団長:ペンタゴンーー!!!
サクヤ:この愚か者が!!!
ペンタゴン:な、違う! 俺はちょっと『自分カッコイイ』演出の為に(笑)
ギン:オラは自分達が追い詰められた方が楽しいけどな?(笑)
ナー:とにかく急いで終らせないときっと大変な事になります〜。
GM:「交渉決裂……残念だ。仕方が無い、お前達にはここで死んでもらおう」――パチン、と指を鳴らすと後ろの石像が動き出します。リビングスタチューです。
エレナ団長:ペンタゴンには後で話があります! だけど、今は目の前の敵に集中しよう! みんな、ここは負けられないよ!

◇ イニシアチブ ◇

[1]サクヤ(37)
[2]初老のファントム四天王(33)
[3]ナー(27)
[4]リビングスタチュー(26)
[5]エレナ(25)
[6]ギン(16)
[7]ペンタゴン(11)

GM:距離は5mなので移動は問題無いです。天守閣はそこまで広くないので、全員前衛での戦いです。
サクヤ:全員前衛なら敵を包囲していると考えて良いか?
GM:どうぞ構いません。こっちの戦略ポイントは「絶対に負けられ無い理由がある」「逃走できない状況にある」の2つですね。
エレナ団長:こっちは「相手を包囲した」「士気が高揚している」「絶対に負けられない理由がある」「逃走できない状況にある」ですね?
GM:逃走はできるのでは? もっとも、遅くなると倒壊に巻き込まれて死亡するかもしれないけど(笑)
エレナ団長:この城には村の人達が人質になっているんでしょ? その人達を置いて自分達だけ逃げるなんてできないよ。
ナー:さすがエッちゃん! 良い事言うです〜♪
ペンタゴン:まったくだ! 俺なんて人質の事をすっかり忘れてたぜ(笑)
サクヤ:[戦略ポイント]は合計こちらが+6か。術士系の最後の四天王を先に集中攻撃だろう。グリモアエフェクトを使って≪飛燕刃・改≫(コロコロ)……私は2。
ペンタゴン:俺が1だ。
サクヤ:じゃあダメージが……24点の倍で48点!
GM:「ぐおっ!」
ギン:そのまま[コンビネーション]――よくもオラを誘惑してくれたな!――「リリーへの好意(1)」を消費するだよ!

○解説23 「感情ルール」

 感情はキャラクターが自分や仲間に対して抱く想いを数値化したものです。グリモアエフェクトを使えば使うほど、感情は上がっていきます。戦闘中は感情をどれか1点消費する事で、[戦略ポイント]の代わりに使う事ができます。感情は1人に対して最大10点までしか溜まりません。5点まで溜まると[共感]が始まり、テレパシー的に会話する事が可能になります。しかし10点まで溜まると[暴走]が発動し、相手に対する自制が効かなくなり、様々に不幸な結果をもたらします。それでもその暴走を乗り切り、自分の感情に決着をつける事ができたなら、そのキャラクターは1レベルアップする権利がもらえたりします。
 人間何事も経験、という訳ですね(違う?)

――ちなみに席順は『エレナ団長 ← ナー ← ペンタゴン ← ギン ← サクヤ』であった。

ギン:さらにグリモアエフェクト! 気高き月よ! その力を獣へと変えよ!『銀狼牙!!≪気高き銀狼≫』
一同:『(コロコロ)……』
サクヤ:一番低いのは私の3だな。
ギン:なら4レベル成功!
GM:(コロコロ)……ふん、8レベル成功で回避しました。
ギン:オ、オラの技が避けられた!?
GM:「その程度……児戯に等しい」
ペンタゴン:ならこいつはどうだ! 記憶に無い「リリーへの好意(1)」を消費して[コンビネーション]! グリモアエフェクト使って≪大地斬・改≫(コロコロ)……5!!
一同:『(コロコロ)……』
エレナ団長:はい! 私の4が一番低い!
ペンタゴン:じゃあ4レベル成功! ダメージは24点だ!
GM:「くっ……なるほど、そちらが本命だったか」
ナー:まだまだ続きますよ〜? 普通に戦略ポイント使って[コンビネーション]≪幻惑の剣舞≫(コロコロ)……成功! 防御ロールして下さいね〜。目標レベルは8で失敗すると[消沈]がつきます〜。
GM:(コロコロ)……4レベル成功!? しまった、攻撃が不可能になった! で、とりあえず終了?
エレナ団長:私は心ダメージなので、[コンビネーション]には繋げません。
GM:ではこっちの番ですね、まずは[バッドステータス]を回復させないと(コロコロ)……

○解説24 「バッドステータスの回復」
 1人の行動は、「バッドステータスの回復」「移動」「メイン行動」の3種類に分かれます。「バッドステータスの回復」は幸運度チェックを行い、成功すればどんなバッドステータスでも回復します。

GM:……成功、バッドステータス解除!――「さぁ…見せてやろう本当の力を! 喰らえ≪スキュラフレイム≫」(コロコロ)……サクヤに2レベル成功! 38点ダメージ! ついでに[出血(4)][毒(4)][魔炎(4)]のバッドステータスつき!
サクヤ:それはまずい。グリモアエフェクト(全員でコロコロ)……私が2で一番低い! 自分の感情が+1。
ペンタゴン:お前……実は誰も信頼してねーだろう? 何度、自分で低い目だしてるんだよ!!(笑)
サクヤ:確実性を上げているだけだ……4レベル成功で避けた。
ナー:次は私です〜再び≪幻惑の剣舞≫〜(コロコロ)……4レベル成功!
GM:(コロコロ)……失敗。四天王はまたやる気を失いました(笑) そしてリビングスタチューの攻撃が(コロコロ)……ギンに≪高速の突き≫(コロコロ)……8レベル成功。[連撃(2)]もあるので。
ギン:(コロコロ)……1レベル。(コロコロ)……0レベル。(コロコロ)……2レベルで止めた。
GM:連撃を入れてダメージは30点【技】。
ギン:負傷HP入っただ――こいつ……強ぇーだよ! でもまずは四天王を――気高き月よ! その力を獣へと変えよ!『銀狼牙≪気高き銀狼≫』!! グリモアエフェクト!
一同:『(コロコロ)……』
エレナ団長:2!
ギン:じゃあダメージは19点! さらにバッドステータス[拘束(2)]!
GM:狼に押さえつけられ、逃げる事もできなくなった(笑)
ペンタゴン:よし、後はリビングスタチューのみ! グリモアエフェクト宜しく! ≪大地斬・改≫(コロコロ)……俺は18!
エレナ団長:あ、私2です。
ペンタゴン:よっしゃ! 団長最高ー! やっぱ俺に――
サクヤ:私は1。
ペンタゴン:………………。
GM:1が適応ですね。
ペンタゴン:ふざけんなよ! せっかく団長が2だったのに1振るなよ!(一同爆笑)
サクヤ:貴様……せっかくクリティカル出してやったと言うのに。なんだその言い草は!(笑)
ペンタゴン:ダメージは48点!
GM:(コロコロ)……8レベル成功だから[ガード]発生。それでも痛いな。

――2ターン目

サクヤ:≪飛燕刃・改≫で(コロコロ)……リビングスタチューに8レベル成功。ダメージは24点。
GM:(コロコロ)……4レベルであたる。結構痛いな……そして四天王だが(コロコロ)……失敗、ボケ〜として終了(笑)
ナー:わたしはそんな四天王に人質の場所を聞き出しますね――教えてくれますか〜?
GM:「あぁ、もうなんでも言ってやる……連れてきた村の人々は、この城の地下にいる。地下への階段は2階へ上がる階段の傍にあっただろう」
ナー:ああ、あったような〜なかったようなです〜(笑)
GM:そしてリビングスタチュー(コロコロ)……ギンに向かって普通に【技】攻撃(コロコロ)……4レベル成功です。ダメージは29点ダメージ!
ペンタゴン:それは俺が[かばう](コロコロ)……2レベル成功。
GM:あっ、[かばう]でサイコロ振る必要はないですよ。
エレナ団長:みんな回復が無いからギリギリか……私もリビングスタチューに旅団アビリティ≪ブラックフレイム≫を使って(コロコロ)……4レベル成功!
GM:2レベル成功で命中します。
エレナ団長:ダメージは24点!――サクヤ! 今のうちにポイント使って良いから地下に行って人質を解放して! お願い!
サクヤ:[コンビネーション]。地下を目指します――姫、一時的とは言え…姫の元を離れる事をお許し下さい。
GM:ではサクヤは階段を下りて行きました。
ペンタゴン:さて、ギン。俺達はあの動く石像をなんとかしねーとな!
ギン:オラ、あんなのには負けねーだよ! リビングスタチューに『紋章閃≪エンブレムシュート≫』(コロコロ)……4レベル成功! 21点ダメージ!
ペンタゴン:ああ、負けるわけにはいかないんだよ! グリモアエフェクトで≪大地斬≫!(コロコロ)……
一同:『(コロコロ)……』
エレナ団長:私の7が一番低い?
GM:(コロコロ)……1レベルで失敗。
ペンタゴン:さすが団長! ダメージは18点!――おい、ナー! ここは俺達に任せてお前はサクヤの援護を!
ナー:わかりました[コンビネーション]です〜! そのまま追加行動で私も地下に向かいます――人質の方はまかせて下さい〜!

――3ターン目

サクヤ:地下に走っています。
ナー:同じく走ってます〜。
GM:四天王は(コロコロ)……バッドステータスから抜け出せない(笑) おろおろしてる。そしてリビングスタチューが(コロコロ)……ギンに向かって≪フライングスネーク≫(コロコロ)……2レベル成功!
ギン:ここは[カウンター]を使用! もちろん【心】で反撃だでよ!(コロコロ)……1! クリティカル!!
一同:『おおお〜〜!!』
ギン:ダメージは19点の2倍で38点! 敵の剣をかいくぐって懐に飛び込んでの一撃!――ここだーーーー!!!
GM:それは……砕けた!! リビングスタチューは粉砕されます!
ギン:おめは中々強かっただ……けんど、オラほどじゃなかっただでよ!。



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