<TC-26D フェンサー>

 グラビティサーキットを搭載した人型戦闘機TC(タクティカルクラスタ)の最新鋭機体です。
 しばしば自らの重力偏向によって遠隔兵器の射線を歪めてしまう為、近接兵器や近距離実弾兵装を主に搭載しています。
 高速で飛来しての、電離水素ガス層を発生しながらのビーム剣「薔薇の剣戟」や、物理分身現象による多重攻撃「ミラージュアタック」は、その美しさと共に戦場の恐怖として語られています。


イラスト:はるまき

●開発経緯

 フェンサーはかつて「TC(ターミナルクラスタ)」と呼ばれ、惑星軌道上に人為的なラグランジュポイントを発生させる為の無人衛星として開発されました。TCと惑星の間に5点の重力安定点を供給することで、宇宙ステーション建設の基部となる役割を果たしていたのです。
 ところが、TCはその存在理由の重要性にも関わらず、遠大な「テラフォーミング計画」のごく初期プロジェクトであるという理由により、独裁と情報統制を強いていた地球帝国の中で唯一、殆ど注目されることもなく、実用段階に達した時点で研究者の管理・洗脳は放置されていました。

 その立場を利用し、洗脳が解け反乱軍の思想に共鳴した研究者達は、物資不足に悩む反乱軍の最強戦力として、TCを有人兵器として運用する事を計画します。
 計画はとうとう露見する事無く成功を収め、地球の軌道上に設置された無数のTCは、ひとつ残らず人型戦闘機「TC(タクティカルクラスタ)」へと改造され、自らが支えていた物資運搬ステーションの地表墜落と共に、地球帝国に対する反乱の狼煙を上げたのです。
 このTCがさらに開発され、戦闘に特化された高機動ユニット「TC-26D フェンサー」へと変化を遂げたのです。

●動力源

 フェンサーの基本動力は「潮汐力」です。フェンサーは、ボディに埋め込まれた「グラビティサーキット」によって、宇宙全体に存在する様々な方向からの「重力」を歪め、引き寄せて「波」を作り、それの戻りに「波乗りする」事で、軽量ボディながら驚異的な速力と機動力を発揮します。

●グラビティサーキット

 グラビティサーキットは、テラフォーミング計画の第一段階として作成された、自らに発生した潮汐力を一時「保留・蓄積」しておける、重力操作ユニットです。
 グラビティサーキットは、この蓄積した潮汐力を随時少量ずつ外部の潮汐力と「交換」する事によって、重力の波に乗ることができます。自らの動力源も、この「交換」で手に入れます。
 しかしその為には非常に高度な演算と、演算に理由を与える強い「指向性」が必要となります。その為グラビティサーキットを搭載したフェンサーは有人機となり、物理接続されたパイロットが、膨大な演算を続けるグラビティサーキットに「進め!」とか「避けろ!」等の明確な指向性を与えます。

●翼と推進方式

 上記原理より、フェンサーはグラビティサーキット以外の推進機関を必要としませんが、その背中にある翼は、高速起動時の機体安定性を保つ為に存在します。
 その翼からは、重力の作用によって発生する電離水素ガスが、鮮やかな赤い光のように放出され、輝いています。

SPEC DATA
ジェネレータ:グラビティサーキット
推進機数:なし
装甲材質:ルナ・テクノニウム
武装:ビーム剣「薔薇の剣戟」、腕部バルカン砲「スピードラッシュ」、装甲剥離システム、変形機構ほか