<PH-42S シャドウ>

 地球圏の内乱鎮圧用に開発された機甲猟兵PH(パンツァーハウンド)の、特殊部隊用カスタム機です。
 陸上での拠点制圧に最も適した機体ですが、元々隠密性の高いPHに、高度迷彩兵装「ハイドインシャドウ」による奇襲攻撃「シャドウスラッシュ」を駆使するシャドウは、多彩な局面での汎用的な活躍が期待されています。


イラスト:汰阿惨

●開発経緯

 地球人の生存圏がコロニーへと大きく飛躍する中、地球圏では「地球帝国」の集権支配を確実とするため、世界各地の内乱・民族紛争に対する、絶え間ない強制介入が続いていました。そうした、広域破壊兵器よりも拠点制圧兵器が求められる戦略的事情の中で、軍需産業は工業用二足歩行機械の軍事転用に着目します。開発された機甲猟兵PH(パンツァーハウンド)は、不整地走破性の高さと民間技術転用によるローコストとで、地球帝国のみならず、反乱軍・民間兵・傭兵等の間でも次々とシェアを広げてゆきました。民間人が自己資金でPHを購入し、傭兵になるという事態さえも、珍しいことでは無くなりました。
 当然ながら、PHを利用した犯罪は増加の一途を辿ります。事態を重く見た地球帝国は、PHによる内乱・暴動を鎮圧するべく、精鋭の特殊部隊専用機を極秘裏に開発する「シャドウ計画」を発令しました。

●『シャドウ計画』

 この計画によって開発された「PH-42S シャドウ」は、最新鋭の技術である高度迷彩兵装を軍事目的に実用化した、現時点で唯一の兵器でもあります。
 高度迷彩兵装「ハイドインシャドウ」は、視覚のみならず感覚情報、通常駆動レベルの熱量すらも完全に遮断するという驚異的な機能を保持しています。機体の全てはこれによる隠密製と、十分な継戦能力・制圧能力の両立を実現させています。

●動力源

 シャドウの動力源は、迷彩兵装に最も影響を与えず、隠蔽率を損なわない動力として、水素を主原料とした「ハイドロエンジン」が搭載されています。また、背後のハイドロバーニアと完全機密式のコックピットによって、高速飛行及び宇宙空間の航行も可能になっています。
 本来ならばバーニア噴出中は迷彩を展開することはできませんが、優秀な兵士はバーニアと迷彩を併用し、3次元の奇襲を可能とするとされています。この奇襲戦法は「シャドウスラッシュ」と呼ばれ、予測不可能の戦法として恐れられています。

SPEC DATA
ジェネレータ:ハイドロエンジン
推進機数:ハイドロバーニア16基
装甲材質:アガメムノン鋼
武装:サブマシンガン「飛燕刃」、拠点制圧用電磁ネット「シャドウロック」、高度迷彩兵装「ハイドインシャドウ」ほか