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第3章
 オーシャにある領主の城は、湖のすぐ側に建っている。
正面の門には昔と変わらす門番が立っていたから、僕はプリスと会う時に使っていた道を使う事にする。
城の裏側、庭の垣根の一部から侵入して大きな樫の木に登る。
ちょうど、ここからならプリスの部屋のベランダへと飛び移る事が可能なんだ。

GM:ではロムは【技】で2レベル成功すれば飛び移れます。失敗すると大人になったロムの体重に枝が耐えられず折れます。
ロム:失敗は恥ずかしいな(コロコロ)……よし、4レベル成功! ベランダからプリスの部屋を覗きます。
GM:内装は少し変わっているかもしれないけど、ベッドや本棚、机なんかも昔のプリスの部屋のままだね。窓に手をやってみれば鍵もかかっていないようです。
ロム:部屋に誰もいないのを確認してから侵入しよう。できればプリスにだけ出会いたいんだけど……。
GM:部屋には誰もいません。腰までの高さの棚の上に、小さな男の子と女の子の2人揃った絵が置いてあります
ロム:手に取ってみよう――これは……僕とプリス? プリスはまだ……僕の事を覚えていてくれているのだろうか?
GM:と、ここでロムは[幸運度]で判定して下さい。成功すればプリスが部屋にやってきます。失敗すれば別の人がやってきます。
ロム:それは(コロコロ)……う゛失敗。僕は子供の頃の絵を手に持ったままボウッとしてたって事で。
GM:じゃあキミは気が付きませんでした、いつの間にか部屋に入ってきた男に……そしてその男が冷静に言う――「キミは誰だ?」
ロム:ビクッとして振り向こう。
GM:部屋のドアの前、全身ゾロっとした黒い服を纏った男がいる。目は前髪で隠れて見えないね。
一同::『あ、怪しい……』
ロム:お、お前こそ誰だ!
GM:「質問しているのはこちらなのですが……私はご領主様の元で相談役をやっている者です。ふむ……まさかとは思いますが、キミがロマーリオ君ですか?」
ロム:なんで……僕の名前を?
GM:「やはりそうですか……その絵の男の子ですね?」
ロム:お前は――
GM:「私の名は影法師、【キマイラ】の一員でありこのオーシャ領にてナゴーのサポートに当たっている者です。ロマーリオ君、キミが来てくれて本当に助かりますよ。呼んだかいがあるというもの」
ロム:………………。
GM:「実はご領主であるプリス様は中々強情な方でしてね、ナゴー捜索に関しては相談役の私の言う事も聞こうとしないのです。幼馴染みであるあなたの協力が不可欠なのですよ……では、そこで待っていて下さい」――影法師は部屋から出て行きます。
ロム:プリス……僕は……――絵の中で笑っている小さい頃の僕とプリスに視線を落とします。



 人通りの無い夕暮れの裏路地、メリアとグリーズは合流して情報を交換しあっていた。

メリア:つまり、冒険者が突然キマイラ化する事件が起こっているって事?
グリーズ:そうだ。しかもキマイラ化のまま暴走、そのままモンスターにまで落ちるらしい。ここ1ヶ月で3〜4人は確実にモンスター化している。もっとも、街の人々はどうして冒険者がモンスターになるのか不思議がっているがな。
メリア:まぁ、一般の人はキマイラ化について何も知らないしね。
グリーズ:冒険者の謎のモンスター化事件――といった所だな。
メリア:それで私達冒険者への風当たりが強かったんだ。
グリーズ:アバウトにだが……その発生期間も一週間置きらしい。住人達がピリピリするのも無理は無い。
メリア:でも私たちには関係無い……か。
グリーズ:そういう事だ。今度こそナゴー博士を探すぞ。




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