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序章
第1章
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第12章
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第13章
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終章
任務を真っ当すればプリスは救われるだろう。
しかし、それは「街を守る」というプリスとの約束を破るという事だった。
この街に僕は良い思い出は無い。正直、こんな街がなくなったって僕は構わないと思っている。
でも……約束を守れなかった僕に、プリスはどう言うだろう……。
正反対の事をした僕を、プリスはどんな目で見るだろう……。
そんな風に悩みながらも勝手に時は流れていく。
アビスクリムゾン実験の2回目、路地に居た2人組の冒険者がモンスターになった。
ナゴー博士が満足そうに頷き、僕とグリーズは実験結果の始末を行った……――
GM:
ではモンスター化した2人を、まさに[無音瞬殺]したロムとグリーズですが――
グリーズ:
モンスター化が解っているからな、罠にかけるのは簡単だ。
ロム:
作業のようにこなしてしまった……。
グリーズ:
それで良い。何も考えなければもっとも効率良く任務を果たせる。
ロム:
………………。
GM:
と、そこに【黄金の槌】旅団の4人が遅ればせながらやってきます――「大丈夫か!?」
グリーズ:
ああ、問題無い。これが俺達の任務でもあるしな。
GM:
「そうか……ああ、そうだった! ここで会ったのも丁度良い。実は伝えておきたい情報があるんだ……できれば協力して欲しい」
ロム:
?
グリーズ:
……聞かせてもらおうか――
――【黄金の槌】が話した情報――
◆あの有名な犯罪者ナゴー博士が事件の黒幕である。この街で何か実験をしているらしい。
◆ナゴー博士の潜伏場所の検討が付いた。地下水道のどこかのようだ。
◆この街の規模の地下水道なら1週間もかからずに全てを探索可能だろう。
◆あまり多くの冒険者にこの情報を与えて、逆にナゴー博士に勘付かれても困る。
グリーズ:
俺達は信頼できる……と?――ニヤリと皮肉気に笑おう。
GM:
「ああ、領主からの依頼を受けている信頼度、それに実力も申し分無い」
グリーズ:
ふっ――鼻で笑おう。
GM:
「俺達は今夜から地下水道の捜索に入る。もっとも、最悪の事態を考えて1人は宿屋に残していくつもりだ。あんた達も協力してくれるなら宿屋の方へ一度来て欲しい。話はそれだけだ……」――4人は去っていきます。
グリーズ:
城に戻るぞロム、忙しくなる。
ロム:
……ああ、そうだね。
城に戻りメリアと合流した所で【黄金の槌】について相談が始まった。
もっとも、一番反対すると思われたロムが終始無言だった事もあり……――
グリーズ:
では宿屋で待機している【黄金の槌】メンバーを誘き出し始末する。その後、捜索中の3人を罠にはめて全滅させる。これでいいな?
メリア:
うん。
ロム:
………………。
グリーズ:
何も言わないロムを不信に思うが、今は一刻を争うので言及しない――では俺はこれからナゴー博士に会ってアジトを移すよう連絡してくる。お前達は準備をしておけ――去って行きます。
メリア:
じゃあグリーズを見送ってから……ねぇロム、大丈夫?
ロム:
……何が?
メリア:
ずっと黙って……嫌ならいいんだよ、彼等を殺す事は任務の障害を排除するって意味はあっても、それに協力しなかったからって結社を裏切った事にはならないしね♪
ロム:
僕が協力しなかったら……キミ達は僕の事を裏切り者と報告するんじゃないのかい?
――僕は自嘲気味に笑っていた。全てが信じられなかった昔……いや、僕にとっても今も同じだったのだろう。
メリア:
私は一瞬、本気で悲しい顔をします――ロム、これから私達がやろうとしている事は人殺しなんだよ? これから殺そうとしている人達は、正義感からこの街を守ろうとしている善良な人達なんだよ?
ロム:
………………。
メリア:
無理にその手を血に染める事無いよ……一度染まってしまったら、その紅い色はずっと落ちないから……。
ロム:
思わず自分の手を見よう。
メリア:
キマイラ化した冒険者なら、まだモンスター退治の延長で倒せるかもしれない……でも、今度の相手は“人間”なんだから……――私はその場を去ります。
――僕の目の前には……いつの間にか闇が広がっていた。
ナゴー博士へと会いに来たグリーズ、まだ【黄金の槌】旅団はやって来てはいない。
グリーズ:
――……と、言うわけだ。早くここを引き上げた方が良い。
GM:
「なるほどな……いいじゃろう。この街を覆う量まで増やすのももう少しじゃ。ここで邪魔されたらたまらんからのう」
グリーズ:
俺達はあんたが移動した後、この地下水道で奴等を罠に嵌める。不安要素は先に排除しておいた方が良いだろうしな。
GM:
「ふむ……ではこれを使うと良い」――赤い液体の入った小瓶を渡されます。
グリーズ:
「アビスクリムゾン」か?
GM:
「そうじゃ。もっとも本番の為に少しでも多くの薬が必要じゃから、お主らに分け与えられるのは1人〜2人分の小瓶がせいぜいじゃがの……うまく使うと良い」
グリーズ:
ああ……十分だ。
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第9章
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