いつものメールチェック。何だかゲームを始める前よりも楽しみになっているのは、気のせいだろうか?
『ごめんね、お兄ちゃん。私もちょっと言いすぎたね。ごめんなさい。でも、心配したことは本当なんだからね。そういえば、依頼に参加したんだね。ホント、よかった♪ プレイングは進んでる? 難しい? わからなくなったら、私か旅団で聞いてね!』
どうやら機嫌を直してくれたようだ。ほっとしながら、返信しておく。
さて、まずは旅団に一度、報告しておこう。
【おう、ランドだ。リプレイ見てみたけど、いやあ、あんなにたくさんあるんだな。見ただけで時間が過ぎてしまった。リプレイにあったプレイングを見て、少し分かってきたような気がする。目的と動機、それと……俺の場合は戦う方法が必要……なんだよな? まあ、これから酒場のテーブルに行ってみる。結果はまた明日】
よし、これでいいな。じゃあ、さっそく酒場のテーブルとやらを見に行こう。
酒場のテーブルは、依頼ごとに用意されている一行掲示板のことだ。
話によると、そこで依頼の相談をするらしい。
僕の参加する依頼には既に先客がおり、挨拶が並んでいた。まだ相談は始まっていないようだ。
【おう、俺の名はランド。今日から邪魔させてもらうぜ。初めての依頼なんで、緊張している。なるべく足を引っ張らないよう頑張るから、よろしくな】
うーん、どう相談すればいいんだろう。連続して書き込みしていいものなんだろうか? 一応、断りの文を入れてから、皆の意向を聞いてみよう。
【連続発言ですまないが、皆、何をするんだ?】
……これだけじゃ、不躾、だよなぁ。あ、自分の目的を話せばいいのか? よし、発言前に付け加えよう。
【俺は強くなる為に、強い敵がいるこの依頼に参加した。出来れば戦いに参加したいところだが、どうだろう?】
これで暫くしたら返事が来るだろう。
その間にもう少しプレイングを考えてみようか。
僕の参加する依頼は、モンスターが村を襲いに来るというもので、マスターのコメントでも「戦うときは、敵が強いので気をつけて」と書いてあった。戦い方、戦い方……そういえば、冒険者の戦い方ってどうやるんだ? さっそく旅団で聞いてみよう。
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【冒険者の戦い方? そうね、普通に持っている武器で戦えるけど、やっぱりアビリティを使って戦うのが効果的ね】
すぐにマレナさんが教えてくれた。
アビリティを効果的に……アビリティって何だ?
【分かりやすく言うと、冒険者達が使える特別な力というべきかしら? 詳しいことは図書館に行ってみるといいわよ】
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図書館? もしかして、本のアイコンがあるところか? マレナさんに礼を述べてから、さっそく図書館に行ってみることにした。
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僕は図書館に行ってみた。図書館には、ゲームの詳しい解説が一覧となって紹介されていた。
なんだ、こういう場所があったら、すぐに教えてくれれば良いのに。思わず苦笑してしまう。
とにかく、僕は今回疑問に思っていたことを解決してくれそうな「冒険者クラスとアビリティ」というページを見てみることにした。どうやら、アビリティというのは、RPGゲームに出てくる魔法や必殺技のようなものらしい。しかも、使うには「活性化」という作業が必要なようだ。ふむふむ、活性化はステータス画面で行うっと。よし、後で試してみよう。
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他にもいろいろな記事があるな。アビリティもそうだが、他にも依頼に関連する重要な話があるかもしれない。せっかくだから、図書館にあるもの全て読んでしまおう。
お? 今気付いたんだが、図書館では、他のキャラクターのデータを検索して見られるんだな。
……おわっ!! イラストが付いているっ!! 僕も付けられるんだろうか? しかも、かなりたくさんのキャラクターが登録されているんだな。……5000!? うわ、僕、ここでちゃんと出来るんだろうか? と、とにかく頑張ろう……。
って、あれ? ついでにランドのステータス画面を見てみたら、★が一つ減っているぞ。確か、前は5だったのに、4になっている。どういうことなんだ? 後で妹に尋ねておくか。
図書館の記事を読んでいたら、また遅くなってしまった。でも、いろいろなことが分かってきたように感じる。今日はここで寝るとしよう。おやすみ。
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