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なにはともかく、やってみよう!?
TRPG版『無限のファンタジア』の体験日記です。
登場人物の紹介は
こちら
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画:
888
TRPGって?
第1話
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第2話
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第3話
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第4話
キャラメイク
第5話
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第6話
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第7話
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第8話
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第9話
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第10話
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第11話
冒険開始!
第12話
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第13話
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第14話
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第15話
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第16話
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第17話
GMに挑戦
第18話
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第19話
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第20話
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第21話
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第22話
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第23話
終章
第24話
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第25話
▽月●日
僕は憧れのマレナさんに似た、美咲ちゃんって子に会ったんだ。
綺麗で可愛い美咲ちゃん。
その美咲ちゃんに生徒手帳を届けてあげたんだ。
それだけじゃない、お礼にTRPGの事も教えてもらえる事になっちゃって。
「着いたわよ」
「え?」
ふと僕は目を見張る。
「えっと……」
僕の記憶が確かなら、この目の前にあるマンションは、かなり高級なマンションだったような……。
奥へと進んでいく美咲ちゃんを追って、僕もマンションに入っていった。
「ただいまー」
美咲ちゃんは、鍵を開けて玄関の扉を開く。
そして、そそくさと靴を脱ぎ、スリッパを一組、僕の前に置いてくれた。
「スリッパに履き替えたら、そこで待ってて」
ぱたぱたと奥へ入っていく美咲ちゃん。
しばらくすると、美咲ちゃんがやってきた。
時間がかかるなと思っていたら、着替えていたんだ。私服姿の美咲ちゃんも可愛い……。
「オレンジジュースでもいい?」
美咲ちゃんの持っているお盆には、オレンジジュースの入ったグラスが2つ。
「うん、いいよ」
「じゃあ、こっちに来て」
そういって、美咲ちゃんは僕を部屋の前へと案内してくれた。
そそそそ、そういえば、初めて女の子の部屋に入るよな!? いや、妹の部屋には何度か入ったけど、それとは別というかなんと言うか……と、と、とにかく、僕は緊張した面持ちで、美咲ちゃんの部屋に入った。
白い壁にあるコルクボード。可愛らしいぬいぐるみが置かれたベッド。綺麗に整頓されていて使いやすそうな机。その机の上には、ノートパソコンが折りたたんで置かれていた。
部屋の壁には、大きなクローゼットもある。きっとこのクローゼットの中には、今の私服や制服やら可愛い服がいっぱい入っているんだろうな……。
「そろそろ、説明してもいいかしら?」
僕達は、部屋の真ん中にある白い小さなテーブルに向かい合わせに座っていた。
テーブルの上には、互いに持っているルールブックと筆記用具に、珍しいサイコロが置いてある。
「あ、うん」
僕が頷いたのを見て、美咲ちゃんは始める。
「説明する前に少し確認しておきたいんだけど、TRPGの事で何か知っている事とかある?」
「えっと……」
少し考えてみる。
『あのね、お兄ちゃん。
TRPGっていうのはね、リアルにプレイヤーさんと会って、冒険するゲームなの!
って言ってもわからないよねー。今度、おにいちゃんちに遊びに行く時に教えてあげるね♪』
そういえば、前に妹から、こんなメールで教えてもらった気がする。
でも、この説明じゃわからないし……。
「全然わからない」
「わかったわ。じゃあ説明するわね。TRPGとは、こういう風にテーブルを囲んで、会話で進めていくロールプレイングゲームなの。自分の作ったキャラクター、または特定のキャラクターになり切って冒険したり、事件を解決したりするゲームの事よ。TVゲームのRPGを、ボードゲームのようなパーティゲームしたという感じね」
ボードゲームのようなパーティゲーム? そういえば、珍しいサイコロが置いてあったけど、これを振って、すごろくみたいなのをやるって事なのかな? でもそれって……。
「一人ではできないって事?」
「一人で遊ぶゲームもあるけど、たいていの場合は、キャラクターを演じるプレイヤーが3〜5人程度。それにGM(ゲームマスター)1人を加えて4〜6人て所ね」
「GM?」
「そう、GM。ゲームの進行役であり、審判役でもあるわ。TRPGは、GMの用意した冒険や事件を擬似体験していくの」
少しまとめてみよう。
(1)TRPGとは、4〜6人用のパーティゲームらしい。
(2)参加者の1人がGMで、ゲームの進行役を勤める。他はプレイヤー。
(3)プレイヤーは、1人のキャラクターを演じるんだ。
(4)そして、プレイヤーはGMの用意した冒険や事件を疑似体験する、って事なんだな。
ん? 待てよ……。
「会話で進めていくっていったけど、どうやるの?」
「GMに何をしたいのかを宣言していくの。……たとえば、村人に盗賊の事を訊ねてみますとか、ボスの弱点は水だから、手に入れた水をかけてみますとかね。GMはプレイヤーの宣言した行動を元に結果を伝えるの。村人は怖がって逃げてしまいましたとか、水をかけられたボスは弱点の水を受けて、動けなくなっているとかね。その結果を元にまた、プレイヤーが行動を宣言していく。GMが答える。その繰り返しで、冒険や事件解決を行っていくのよ」
なるほど、分かってきたぞ。
プレイヤーは「言葉」で行動を宣言するんだ。結果はGMが教えてくれる。そのやりとりでゲームは進むのか。
で、GMは冒険の舞台や敵キャラを用意して、プレイヤー達に挑戦させるんだな。それは面白そうだ!
「でも、どれぐらい自由にできるのかな? 言葉では何でも言えるけど、例えば普通の冒険者がいきなり『神様に変身して天罰を下す!』とかデタラメ言い出しちゃったら、GMは困るんじゃないかと思うけど」
「そうね。そういうデタラメにならない為に、TRPGにはものごとを判定するための『ルール』があるの。GMとプレイヤーは、ルールの内容を基準にゲームを進めていくの。無限のファンタジアをやるなら、このルールブックに書かれたルールを使うってわけ」
ああ、だから『ルールブック』か。TRPGを遊ぶのに必要なルールが書かれた本って意味なんだな。
「それともう一つ。敵を攻撃したり……さっき言ったような、村人に尋ねるとかの行動。それが実際に上手く成功したかどうかを判定する時は、このダイスで判定するの」
そういって、美咲ちゃんはテーブルの上に置いてあった、奇妙な形のサイコロ……20面ダイスを手に取った。
ダイスを良く見ると、1〜20の番号が振ってある。
「ダイスはいろいろあるわ。一般的なのが1〜6まで書かれている6面ダイス。0〜9まで書かれているのが10面ダイス……他にも4面、8面、100面ダイスっていうのもあるわ。そして、無限のファンタジアでは、この20面ダイスを使うの」
「1〜20まで番号が振ってあるサイコロ……じゃなかった、ダイスだね」
「まあ、サイコロともいうけどね。……これで一通り説明が終わった事になるけど、ここまでは分かったかしら?」
どうやら、TRPGについてひととおりの説明が終わったらしい。
……うん、なんとなく分かってきたように思う。
妹の説明よりも、もっと詳しくて分かりやすかったし。楽しそうだとも思った!
でも、実際どんな感じでやるんだろう? ダイスを使った判定ってどうやるんだろう?
いまいちピンと来ていないというのが、顔に出てしまったらしい。
「その調子だと、まだよくわからないって感じね」
「うっ……ご、ごめん」
「いいわ。だったら、実際にやってみましょ」
「えっ!?」
実際にやるって、どうやって!?
「無限のファンタジアはね、20面ダイスを振るだけで、キャラクターが作れちゃうのよ。キャラクターシートをあげるから、作ってみて」
「え、あ、わ、分かった」
「キャラクター作成をするときは、基本ルールブックなら、【26ページ〜27ページ】の表を使うの」
そういって、ルールブックを開いて、表がたくさん入っているページを指し示す美咲ちゃん。
「順番にダイスを振りながら、書いていって。まずは種族から」
「わ、ちょっと待って……」
ころころ……。
「8だから、ストライダーね。次は2回振って」
ころころ。ころころ。
「2に9だから、武人ね。年は20〜29ってあるけど、20でいいわよね」
「えっと」
僕の声は聞こえなかったらしい。
「次は1回よ。早く振って」
にらまれてしまった。しかたない、ここは腹をくくって、美咲ちゃんの言うとおりにキャラクターを作っていこう。
ころころダイスを振って、あっという間にキャラクターができてしまった。
僕の作ったキャラクターはストライダーの武人。20歳だ。スタイルが痩身(やせっぽち?)って所がちょっと頼りないけど。
「名前とか、旅団とか……アビリティは?」
「決めなくていいわ。本当は全部決めた方がいいけど、今回はお試しだから。さあ、始めましょうか」
こうして、僕の初めてのTRPGが(ちょっと強引に)始まったのである。
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第4話 〜試してみよう、TRPG〜
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