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 なにはともかく、やってみよう!?
 TRPG版『無限のファンタジア』の体験日記です。
 登場人物の紹介はこちら。                          画:888

TRPGって?
キャラメイク
冒険開始!
GMに挑戦
終章


第13話 〜倒せグドン! 初めての戦い!〜
○月△日
 村の人達から、グドンの情報を手に入れたランド達。
 ランドとショウは『グドンの居場所』の情報を、翔剣士と医術士は『グドンの種類と大まかな数』の情報を手に入れたんだ。
 集めた情報を整理すると……。

・グドンの種類は犬。
・目撃された数は7匹。その内、弓矢を持ったグドンは2匹。実際の数は、恐らく目撃された数よりも多いと予想される。
・普通のグドンよりも、一回り体の大きなグドンも目撃されている。
・グドンのいる場所は、村から少し離れた森にある洞穴。

 これだけ揃えば、グドン退治に行っても大丈夫な気がする。
 ちょっとグドンが多いかもしれないけど、これだけの情報があれば、何とかなるだろう。
 皆に確認してから、ランド達はグドンのいる洞穴へと向かったんだ。



「君達が数時間歩いていくと、村人達から聞いた、洞穴らしきものが見えてくるよ」
 GMが説明する。どうやら、洞穴までは何事も無くたどり着けたようだ。
「『よし、皆! 行くぞっ!!』」
 格好よく決めたつもりだったが……。
「『待て。その前に、洞穴の入り口に見張りがいないかを、確認してから入ったらどうだ?』」
 すかさず美咲ちゃんに突っ込まれてしまった。
 相手は弱いと言っても、幼児並みの知能はある。不意を突かれてしまっては元も子もないだろう。
 僕は反省しつつ、GMに告げた。
「すみません、洞穴の入り口に誰かいないか確認してもいいですか?」
「OK。あ、これはダイスロールしなくても大丈夫だよ。……確認してみたけと、入り口周辺にはグドンの姿はないみたいだね」
 僕はそんなGMの言葉にがっかり。
 どうやら、入っても大丈夫そうだ。
 注意深く確認しつつ、ランド達はいよいよ、グドンのいる洞穴に入っていった。



 洞穴を慎重に探索して、グドンが残した食いかすを見つけていった。
 罠も今のところないようだ。
「『うーん、グドンいないのかなー?』」
「『もしかするともう別の場所に移動したのかもしれませんね……』」
 そう、翔剣士と医術士が話していたとき。
「君達がそう話していると、君達が入ってきた道とは別の道……地図で言うと、この右の道から何者かの足音と声が聞こえてくるよ」
「『どうやら、現れたようだ……』」
 クールに決めるショウ。
「『そうみたいだな』」
 案の定、犬グドンが3体現れた。
「さあ、皆、どうする?」
 GMが訊ねる。
「グドンと戦います!」
 僕が宣言する。
「私も戦うわ」
「あ、私も私も!」
「全力でグドンと戦いますよ」
 皆も戦う事を宣言した。
「了解。じゃあ、まず隊列を確認しよう。犬グドンは前衛のみで弓は持っていないよ。君達は?」
 GMに言われて確認してみる。
 ランドと翔剣士が前に、ショウと医術士が後ろにいる。
 図にするとこんな感じだ。


「ここで隊列について軽く説明しよう」
 GMは以下の事を説明してくれた。

味方前衛敵前衛に攻撃する場合⇒近接攻撃と遠距離攻撃を行う
敵後衛に攻撃する場合⇒遠距離攻撃を行う
味方後衛敵前衛に攻撃する場合⇒遠距離攻撃を行う
敵後衛に攻撃する場合⇒遠距離攻撃を行う

 要は前衛にいると攻撃しやすくなるが、敵からの攻撃を受けやすくなる。
 後衛にいると敵からの攻撃は受けづらくなる代わりに、攻撃しづらくなるということだ。




●行動順を決める
「本当はここで、戦略ポイントの計算が入るんだけど……今回は飛ばしておくよ。この次に説明するから、先に『行動順』を決めよう」
「行動順ってことは、このイニシアチブを使うんですね?」
 僕の言葉に、GMは頷く。
「そう。イニシアチブに20面ダイスを振った目を足した数値が、一番高いキャラクターから行動するんだ。数値が決まったら、僕に教えてね」
 GMに促されて、ころころとダイスを振った。
「おおっ! 19だ!」
 ダイスロールでは最悪の目だけど、行動順では逆にいい目になる。
 ちょっと嬉しいな!
 それに旅団の皆の中で一番高い値を出したのは、ランドだけ。
 結局、以下のような順番で行動することになった。

 【ランド⇒犬グドンA⇒翔剣士⇒犬グドンB⇒ショウ⇒医術士⇒犬グドンC】


(1)ランドの攻撃
 GM「まずランド君の行動から始めよう。君の目の前に攻撃できる犬グドンは3体いるよ」
 ここは無難に犬グドンAを攻撃しよう。僕はそうGMに告げた。
「通常攻撃かな? それともアビリティを使う?」
 まだ何が起きるかわからないから、僕は通常攻撃を行う事にした。
「了解。通常攻撃だね。ランド君は……えっと、心攻撃できる武器はつけていないから、体か技で攻撃してもらうよ。ランド君の場合だと、体の方が高いから、体攻撃をおすすめするよ」
「では、体攻撃します」
「では、体の値でダイスロールしてくれるかな? ちなみに攻撃する時のダイスロールの事を『攻撃ロール』と呼ぶから、覚えておいてね」
 僕の攻撃ロールの結果、見事、敵のグドンにダメージを与える事に成功した!
「次にダメージを出そう。通常攻撃だから……武器の攻撃力に成功レベルを足してみて」
 僕の攻撃力は11、成功レベルは4だから、与えられたダメージは15になる。
 その値を僕はGMに伝えた。
「15だね。了解。……14ダメージだから……ランドは犬グドンに相当の深手を与えることに成功した。犬グドンは咆哮をあげながら、ランドを憎しみに満ちた目で見ているよ」


(2)犬グドンAの攻撃
 GM「次は犬グドンAの行動に入るよ。怒っている犬グドンAは、ランドに攻撃を仕掛けるよ」
 おっと、相手を怒らせてしまったようだ。
 これは相手の攻撃を上手く避けなくては!
「犬グドンAの攻撃は技だよ。技の値でダイスロールしてみてくれないかな? そうそう、防御する時のダイスロールを『防御ロール』っていうから、攻撃ロールとあわせて覚えておいてね」
 さっそく、技で防御ロールする僕。ランド、技の値が一番低いんだよね……大丈夫かな?
 あっ…………。
「残念だったね。こっちは4レベル成功だから……15ダメージが来るよ」
 どうやら、グドンからの攻撃をばっちり食らってしまったようだ。
 僕はHPをダメージ分減らす為に、シャープペンシルを手にした。
「ちょっと待った! ダメージはまだ決まってないよ」
「え? あっ、そうか!」
 そういえば、ランドは鎧を着ていたんだった。鎧を着ていると、敵からのダメージを減らすことができる。
 更にこのゲームでは、敵の攻撃によって減らせるダメージの量が変わってくる。硬い鎧は力任せの体攻撃をよく防ぎ、細い鎖を隙間無く編みこんだような鎧は、急所狙いの技攻撃を防ぎやすいんだ。
 今回の場合、ランドは鎧で、技のダメージを3点まで減らすことができる。だから15−3=12で、ランドは12ポイントのダメージ!
 現在のHPは59だから、12減らして、残りHPは47だな。……まだまだ平気だけど、油断したら大変だ。

 と、いつの間にか……

(3)翔剣士の攻撃
(4)犬グドンの攻撃

 は終わっていて、美咲ちゃんまで出番が回っていた。


(5)ショウの攻撃
「私はニードルスピアを使います。いいですか?」
 ん? どうやら美咲ちゃんはアビリティを使って攻撃するらしい。
「OK。アビリティを使う場合も攻撃ロールを行うからね」
 美咲ちゃんが20面ダイスを振る。結果は?
「2レベル成功です」
「こっちは1レベル成功だから……ショウのニードルスピアは犬グドンを貫いたよ。ダメージを出してくれるかな? ランド君と同じく武器の攻撃力と成功レベルを足してみて。それにアビリティの修正を加えた値が今回のダメージになるよ」

 なるほど、アビリティを使えばダメージが増えたりするんだな。
「あ、そうそう、キャラクターシートの回数のところの○を一つ、塗りつぶしておいてね。今回の場合はニードルスピアの回数にある○を一つ塗りつぶすんだ。皆、アビリティを使ったら、忘れずにチェックしてね。○が全部塗りつぶされたら、もうそのアビリティは使えないよ」
「はい、わかりました」
 美咲ちゃんはGMに言われたとおり、回数の欄をひとつ塗りつぶす。
 美咲ちゃんがアビリティを使ってくれたお陰で、犬グドン全員にダメージを与えるのに成功。特に犬グドンAは、かなり消耗している。
 その後も、僕達は次々と攻撃を決め、見事犬グドンを倒したんだ!
「おめでとう、君達の勝利だよ。この調子でこれからの戦いも頑張ってね」
 GMからの言葉もなんだか嬉しくなってしまう。



 今回の戦いで、通常攻撃とアビリティの使い方を覚えることができた。
 ちょっとまだぎこちないけど、この調子でどんどん探検して、冒険を成功させるぞ!




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