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 なにはともかく、やってみよう!?
 TRPG版『無限のファンタジア』の体験日記です。
 登場人物の紹介はこちら。                          画:888

TRPGって?
キャラメイク
冒険開始!
GMに挑戦
終章


第15話 〜高度なバトルで生き残れ! 炸裂! グリモアエフェクト!〜
○月△日
 休息を終え、ランド達はグドンのいる洞穴の奥へと向かった。
 もちろん、道中、何体かのグドンに出会ったが、その都度勝利し、休息を取って全回復するというのを続けていた。
 だが、まだランド達は見つけられていない。
 強いグドンがいるという噂だったのだが、未だその姿を発見できずにいたからだ。
「全く奴等はどこに行ったんだ? もういないのか?」
 思わず、僕はランドとして発言していた。
「どうだろうな。とにかく、まだ奥がありそうだ。そこを探索してから外に出て行っても遅くはないだろう」
 美咲ちゃんが演じるショウにそう言われ、僕は頷きながら、奥へ進む事を決めたのだった。

「皆が回りの様子に注意しながら歩いていると……奥から何か物音がするよ」
 さらに洞穴の奥へと入っていった僕達に、GMが告げた。
「やっとボスのおでましだね!」
 翔剣士を演じるプレイヤーさんが言う。
「そのようだね。ごつい体をしたグドンが2体と……バットハーピーが2体現れたよ」
「バットハーピーってモンスターですよね?」
 医術士のプレイヤーさんが尋ねる。
「そう。戦うときは充分注意してね」
 GMの解説に僕はがぜん、やる気が出てきた。
「よしっ!! こいつらを倒せば依頼は終わりだ。行くぞ、皆!」
 いよいよ、クライマックス!
 僕達は強敵を前に気合を入れた。
「今回は『戦略ポイント』を使った戦い方をしよう」
「『戦略ポイント』? 何ですかそれは?」
 翔剣士を演じるプレイヤーが訪ねる。
「戦略ポイントとは、戦闘に入る前の状況が敵味方のどちらかに有利だったかをGMが判定して得られるボーナスポイントのことだよ。戦略ポイントを使うと……」
 そういって、GMは戦略ポイントの使い方を教えてくれた。
 戦略ポイントを1点消費すると、下記の特殊行動ができるようになる。
かばう仲間の前に立ちはだかり、代わりに「ガード」する事ができる。
コンビネーション自分の左隣に座っているプレイヤーのキャラクターが行動した後に、コンビネーションを宣言すると、通常の行動とは別に、追加で1回行動(バッドステータスからの回復、移動、メイン行動)ができる。
カウンター敵が自分に攻撃を仕掛けてきたときに、好きな能力を使って反撃することができる。
「戦略ポイントは、旅団皆で使うポイントなんだ。誰かが使えば、1点消費される。4点獲得した状態で、一人が3点消費したら、他の仲間達は残り1点分しか特殊行動ができないんだ。でも、感情ポイントを1点消費しても特殊行動を行う事ができるから覚えておいてね」

 そういえば、感情の横に数値を書くようにいわれていたっけ。
 ランドは、ショウと医術士に感情が1ポイントずつあるから、2回、特殊行動ができるという事になる。
「じゃあ、ここで戦略ポイントの判定をするよ。現在、ランド君達は士気が高揚しているから+2点、敵は特になにもないから……ランド君達は2点分の戦略ポイントを使えるよ。あ、そうそう、戦略ポイントはメモしておくといいよ」
 GMに言われて、僕達は急いでキャラクターシートに戦略ポイントをメモした。



 イニシアチブも決まり、敵との戦闘が始まった。
 やはり、ボスは強い。
 ちょっと攻撃しても、まだピンピンしている。
 さっそく、教えてもらった戦略ポイントを全て使ってコンビネーションを仕掛けたが、それでも致命傷までには至らなかった。
「次はバットハーピーAの番だね。えっと……そうだね、ランド君に攻撃するよ」
「えっ!?」
 実はランド、さっき敵の攻撃を受けて、半分以上のHPが減っていた。
「こっちは4レベル成功だよ。ランド君はどうかな?」
 この攻撃を食らったら、マジにヤバイかも!?
 でも、ここで感情ポイントを使うと、つけていた感情が消えてしまうし……。
「GM! あの、出目の振りなおしって無理ですよね?」
「うんそうだよ。振りなおしは駄目。でも……」
「でも?」
「『グリモアエフェクト』を使うのも手かもね」
 確か、PBW版にも同じ物があったぞ。
「『グリモアエフェクト』って、グリモアの加護によって発揮される、凄い力の事……ですよね?」
「そう、そんな感じ」
 そして、GMはグリモアエフェクトについて説明してくれた。


 グリモアエフェクト……それは、グリモアの加護によって発揮される、英雄の力!
 ダイスロールや幸運度チェックの前に宣言すれば、いつでも使う事ができるんだ。
 グリモアエフェクトを使うと、幸運度を1点消費する代わり、自分だけでなく、セッションに参加しているプレイヤー全員(今回の場合はランドはもちろん、ショウや翔剣士・医術士のプレイヤーもだ)が20面ダイスを振り、その中で出た一番小さい目を、ダイスロールに使う事ができるんだ。
 もし、僕が19という目を出しても、美咲ちゃんが2を出してくれれば、それを自分の目として扱う事ができる。

 しかも……。
「一番小さい目を出したキャラクターとは、心の結びつきを深めた事になり、相手への感情ポイントを1点獲得できるよ」
 つまり、グリモアエフェクトを使えば使う程、仲間達との絆が深まっていくという訳だな!
 これは燃える! なんたって、普通に冒険しているだけで、仲間同士の熱いドラマが自然に発生するんだもんな。

「熱いドラマだけじゃなくて、ドロドロの恋愛三角関係とかに陥る事もあるけどね」
 どこか遠い目をして呟くGM。でも、それはそれで、面白そうだな……。



 HPの残り少ないランドのピンチを乗り切るには、グリモアエフェクトしかない!
 幸運度がちょっと減るけど、まだまだ大丈夫。僕はさっそく、グリモアエフェクトを発動させた。
 すると………。
「どうやら、私の目が一番低いみたいね」
 思いがけない事に、美咲ちゃんの振ったダイスの目が一番低かったんだ。
 美咲ちゃんは少し、髪をかき上げ、ショウの台詞を告げる。
「その程度の攻撃、自分の力で回避できぬとは。まだまだ、私のライバルとは言えんな」
 う、ちょっとキツイお言葉。
 でも、これでショウとの感情ポイントが2になったんだし……それに美咲ちゃんのお陰で敵の攻撃を避ける事にも成功したんだ! かなり嬉しいかも……。
 ショウもグリモアエフェクトを発動させて、敵に大ダメージを与えていた。
 そのお陰で、やっとグドン2体を倒す事に成功したんだ!
 ランドもボロボロだけど、残りのバットハーピーも倒すぞ!!

 だがその後、とんでもない事が起きるなんて、僕は思いもしなかったのだった……。




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