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 なにはともかく、やってみよう!?
 TRPG版『無限のファンタジア』の体験日記です。
 登場人物の紹介はこちら。                          画:888

TRPGって?
キャラメイク
冒険開始!
GMに挑戦
終章


第12話 〜シルバーウイングの初依頼 ダイスロールって何?〜
○月△日
 キャラクターが完成した。
 僕のキャラクターは、ヒトの武人・ランド。
 美咲ちゃんのキャラクターは、セイレーンの邪竜導士・ショウ。
 無限のファンタジアをプレイするのが初めてのプレイヤーさんのキャラクターは、ストライダーの翔剣士で、ベテランプレイヤーさんのキャラクターはドリアッドの医術士だ。
 この四人で、旅団『シルバーウイング』を結成して、旅をしている……!



「じゃあ、始めるよ。今、君達がいるのは、セランタという名の村だよ。場所はさいはて山脈の麓だね」
 そう言って、GMは村のMAPをテーブルの上に広げた。
「君達は今、この小さな冒険者の店『山陽亭』に来ているよ。セランタで一番有名なお店で、1階は飯屋兼酒場、2階は宿屋になっているんだ。さあ、皆、何をしているかな?」
 そのGMの声にいち早く反応したのが、翔剣士のプレイヤーさん。
「山陽亭の名物を頼みたいです!!」
 どうやら、彼女のキャラクターは食いしん坊のようだ。
「じゃあ、わたくしはその隣で、同じものを取りましょうか。お腹も空いていますし」
 ドリアッドの医術士さんも一緒に食べる事にしたようだ。
「了解。君達はどうする?」
「僕も名物を頼みたいと思います。えっと……『せっかくここまで来たんだ。美味いもんバッチリ食べないとな』」
「全く先が思いやられる」
 間髪いれずに美咲ちゃんのツッコミが入る。
 えっと、この台詞って……。
「ショウの台詞よ」
 僕の心を読んだかのように告げる美咲ちゃん。ちょっとほっとしたような、寂しいような……。
 僕らが冒険者の店で食事を取っていると……。
「そこに店のマスターが君達の所へやってきます。『君達は冒険者だね? 君達に頼みたい事があるんだ』と、やけに真剣な表情で君達に話しかけてきたよ。どうする?」
「『何かあったのですか?』とショウは店のマスターに訊ねるわ」
「すると、店のマスターは少し笑みを浮かべて、こういうね。『お願いだ。グドンを、グドンを退治して欲しい!』切実な感じだね」
 僕らはそんなこんなで、店のマスターから依頼された。
 内容は以下の通り。

・セランタの村周辺でグドンをみかけるようになった
・このままでは村が危ないので、グドンを見つけて、全て退治して欲しい
・ただし、グドンのいる正確な場所や数などは不明

 店のマスターの話をまとめるとこうなる。
「他に情報はないんですか?」
 僕はGMに質問してみた。
「どうやら、これ以上の事はわからないようだよ」
 GMが答える。
 うーん。ちょっと情報が足りないな。グドンは全て倒さなくてはならないし、多すぎれば対応しきれなくなって、こっちが危なくなってしまう。
 相手が店のマスターではなく、『霊査士』だったら、もう少しわかったんだろうけど……。
 あ、霊査士というのは、特殊な冒険者の事。霊査士は『霊視』という特別なアビリティで、依頼に関連する物品から様々な情報を引き出して、冒険者にアドバイスしてくれる人達のことなんだ。
 でも、今回は霊査士はいない。
 自分達で情報を見つけるしかないか。
 僕らはそう結論付けて、二手に分かれて行動する事になったんだ。
「じゃんけんぽん!」
 じゃんけんで班分けを行い、さっそく情報を探す。
 ランドとショウ。そして、翔剣士と医術士に分かれる事に決まった。
「じゃあ先にランド君達から見ていこうか。井戸のある広場に来たんだけど……ちょっと『ダイスロール』してくれるかな?」


「ダイスロール?」
 僕の言葉にGMは微笑んで教えてくれた。
「ダイスを振って、能力値より下の値が出たかを見るんだ。今回の場合は心の値を見てみてね」
 僕のランドの心は15だ。15以下を出せばいいんだな……よっと。
 僕はダイスを一つ振る。
 おっ! いい目がでたぞ! 1だ!
「それは『8レベル成功』だね」
「8レベル成功?」


 GMは頷き、僕のキャラクターシートを指差した。
「君のダイスの目は1。まずはこう、数字を横に見ていく。1の値があったね」
「あ、はい」
「次に上の項目を見る。白黒反転された数字の部分だね。1の値がある数字は……」
「8ですね。……ああ、だから、8レベル成功なんですね!」
「その通り。正解だよ。ダイスロールを行ったら、出目じゃなくて、この表を見ながら、何レベル成功しましたとかを言うんだ。それを聞いて、GMである僕が判定し、結果を伝えるよ。今回の場合は大成功だから……うん、ランド君は見つけるよ。なにやらランド君の方を見て、きょろきょろしている子供がいるのをね」
「『怪しいな、ランド』」
 美咲ちゃんが唸る。
「『そうだな、捕まえてみるか?』」
 僕は提案する。
「子供を捕まえるなら……そうだね、体でダイスロールをやってみて」
「はいっ!」
 僕と美咲ちゃんがダイスを振る。
 僕は……残念、1レベル成功。
 美咲ちゃんはというと……おっ! 4レベル成功だ!
「4レベル成功だね。ショウは子供と追いかけっこの末に、しっかり捕まえたよ」
「では、子供に訊ねます。『こんな事をしても、いずれはバレる。君は何を知っているんだ?』」
 こうして、僕らは子供から、グドンの居場所の情報を手に入れたんだ。



 そうか。
 前にダイスで判定するって言っていたけど、さっきの『ダイスロール』がそうだったんだな。
 行動の宣言とダイスロールを交互に行いながら進める……これがTRPGの進め方なんだ!
 僕は、ちょっとわくわくしながら、TRPGを続けるのだった。



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