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 なにはともかく、やってみよう!?
 TRPG版『無限のファンタジア』の体験日記です。
 登場人物の紹介はこちら。                          画:888

TRPGって?
キャラメイク
冒険開始!
GMに挑戦
終章


第24話 〜君と、出会わなければよかった〜
▼月↓日
 この日僕は、生まれて初めて、本当の恋を知った。
 こんな辛い想いをするなら、知りたくなかったけれど………。

 いつもの朝。
 いつもの交差点。
 僕はいつものように町を歩いていた。
 今日は休日。
 山ほど出されたレポートをやっと片付けて、僕の心は晴れやかだった。
 もちろん、天気も良い。
 こんな日なら、外でTRPGをするのも面白いかもな……。
 風でキャラクターシートとかが飛ばされそうだけど。
 そんな他愛のない事を考えながら、ぶらぶらと歩いていたんだ。



 数時間後、僕は目当てのCDと本を手に入れて、ほくほくと店を出ていた。
「このゲームのCD、なかなか見つからなかったんだよな」
 僕が買ったCDは、ファンタジーRPGのサントラだ。
「TRPGとかで、説明している間とかに、この音楽を流すと雰囲気出そうだよな……」
 その隣には、美咲ちゃんがいてくれれば………なんてね。
 ああ、何か、TRPGしたくなったっ!
 また友達を誘って、TRPGしようかな?
 もちろん、美咲ちゃんも誘ってっ!

 そう心の中でもんもんと考えていると……。
「あれ?」
 見知った顔が横切った。
 僕は目を凝らして、もう一度、見た。
「美咲ちゃんっ!?」
 間違いない、美咲ちゃんだ!
 よし、先に美咲ちゃんを誘って、皆でTRPGしよう!
 さっそく僕は美咲ちゃんの所に駆け寄ろうとする。
「みさ…………」
 だが、僕の名を呼ぶ声が、途中で途切れた。
 なぜなら。

「お待たせ。待たせちゃった?」
 普段は見せない、とびきりの笑顔。
「今日は何処に行こうか? いつもの所にする?」
 とても楽しそうにしゃべっている。
「あ、あそこもいいかも。新しいクレープ屋を見つけたの。そこに行きましょ」
 そういう美咲ちゃんの隣には、すらりと僕と同じくらい背の高い人が立っていた。
 いや、それだけならまだいい。
 以前、文京コンベンションで作ったキャラクター、ショウにそっくりだったんだ!





 ばさり。
 思わず手に持っていた荷物を落としてしまった。
 まさか、まさかまさかまさか!!
 美咲ちゃんに彼氏がいたなんてっ!!
 しかも、かなりの美形で、スタイルも抜群。
 僕とは雲泥の差………。

 ぽつり、ぽつりと雨が降り出した。
 雨はいつの間にか大雨になっていた。
 いや、まだ日があるから、にわか雨だろう。
 僕は、雨の中、ずっと立っていた。
「あの、大丈夫ですか?」
 隣を行くサラリーマンの人に尋ねられた。
「あ、だ、大丈夫です。す、すみませんでした……」
 僕は震える手で、雨でぐっしょりぬれた鞄を拾った。
 そして、前を見る。
 さっきまでいた、美咲ちゃんの姿。
 もう、そこには何もなかった。
 楽しげに笑う、美咲ちゃんの声も。
 見たくない、あの男の姿もなにもかも。

 僕の瞳から、なぜか温かい雨が零れ落ちた………。



 その後、僕は熱を出した。
 一度、妹から電話が来たが、何をしゃべったのか思い出せない。
 だけど、あの場面はすぐに思い出せる。
 美咲ちゃんが、格好良い男の人と一緒にデートしている姿を……。

 そして、その日、美咲ちゃんからメールが来たのにも、気づかなかったのだった。




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