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 なにはともかく、やってみよう!?
 TRPG版『無限のファンタジア』の体験日記です。
 登場人物の紹介はこちら。                          画:888

TRPGって?
キャラメイク
冒険開始!
GMに挑戦
終章


第22話 〜夢じゃないよね? 美咲ちゃんからのメール〜
△月●日
 ひょんな事でGMをやることになった僕。
 あたふたしながらも、妹に教えてもらいながら、シナリオを完成させたんだ。
 それが嬉しくて、つい美咲ちゃんに報告メールを送ってみたり。
 そんなこんなしているうちに、いつの間にか、セッション前日になっていた。



『お兄ちゃん、準備するものは分かっているよね? まずは完成させたシナリオ』
 チャットで教えてくれた、妹の言葉を思い出しながら、一つずつ確認していく。
 シナリオをまとめたノート、よしっ!
『20面ダイスを人数分用意すること』
 ダイスもさっき、買って来た。少し余裕を持って買ってきたから、1個くらいなくなっても大丈夫だ。
『キャラクターシートや旅団シート、レファレンスシートとかのシート類も余分にコピーするのを忘れないでね』
 これもダイスを買ってくるついでに、コピーしてきた。さすがに高いからカラーコピーはできなかったけどね。ちゃんと多めにね。
 キャラクターシートのほかにも、能力値の決定表とか、初期装備など、キャラクター作成に必要な部分のページもコピー済み。特に種族や冒険者クラスの表は見た目が大切だと思うから、そこだけカラーコピーだ。これで、ルールブックの取り合いにもならないだろうし、やりたい種族やキャラクターを並べて選べる事が利点だ。これで初心者でもキャラクター作りが円滑に行えるだろう。
 ………とはいっても、これも妹から教えてもらった事なんだけどね。
『お菓子とか飲み物もチェックすること』
 これは友達に頼んである。ちゃんと手や机を汚さないものにしろって説明しておいたから、大丈夫だろう。
『筆記用具も不可欠だよ。ボールペンとかじゃなくて、鉛筆とかシャープペンシルとかと消しゴムが必要だからね』
 忘れてきた友達の為に、何個か用意しておいた。
『そうそう、メモ帳とか手元でメモできるものを用意しておく事。イニシアチブをメモしたり、敵のHPを書き込んだりするの』
 これも家にあったものを、ちょっと拝借してきた。まあ、シナリオのノートにもまだメモできるし、使わないかもしれないけど、用意しておくだけでも安心だよな。
『持っているならマスタースクリーンっていう、手元を隠してくれるツイタテみたいなのもあると便利だよ』
 シナリオを周りのプレイヤーに見せない為のものだそうだ。そうだよな。この先なにがあるのかとか、やっている途中で、わかってしまったら、楽しいものも楽しめなくなってしまう。
 残念ながら、僕はマスタースクリーンを手に入れる事はできなかったが、妹はルールブックやノート、バインダーなどを立てておく事でも代用できるといっていた。当日は厚くて丈夫なバインダーを替わりに立てておこう。


『最後に忘れちゃいけないのが、ルールブック。データを全て覚えるのは大変だけど、どのルールやチャートが何処にあるのかだけでも把握しておくといいよ』
 ルールブックにはあらかじめ付箋をつけておいた。これで、何がどこにあるのかすぐに分かる。それと……妹とシナリオを作っていて、便利だなと思って上級ルールブックも手に入れていた。今回は使わないので、上級ルールブックはセッションが終わったら、じっくりゆっくり読みたいと思う。



 うん、これで準備は終了、後は当日を待つのみか………。
 な、なんだかドキドキしてきたな。
 いつものメールチェックをすれば、少しは落ち着くかな?
 そう思って、僕はその日受信したメールを見始めた。

 え?

 僕は思わず自分の目をこすった。
 ついでにほっぺたもつねってみる。

「いたっ!」

 ………ゆ、夢じゃない!?
 な、なんと、そこには美咲ちゃんのメール!
 し、しかも………。

『シナリオ完成おめでとう。初のGMですってね。もしよかったら、私もセッションに入れてくれないかしら? もちろん、プレイヤーとして』

 がん。
 思わず、机に足をぶつけてしまった。いたたたた。
 と、とにかく、こ、これって、美咲ちゃんも参加したいってことだよな。
 今回来るメンバーは4人だし、1人増えても平気だと思うけど……い、急いで皆に電話して聞かないとっ!

 僕は急いでメンバー全員に連絡を取り、OKをもらった。
 というか、女の子がメンバーに加わるっていったら、即OKだった。
 ……別の意味でちょっと心配になったけど。



 メンバー全員からOKが取れて、来てもいいというメールを、すぐさま美咲ちゃんに報告。
 すると、すぐに返事が来た。

『ありがとう、嬉しいわ。詳しい日時や場所も後で教えてね。当日、楽しみにしているわね』

 こ、これで美咲ちゃんも遊びに来る事が決定っ!!
 そ、そういえば……美咲ちゃん、うちに来るのは初めてなんじゃないか?
 いやいや、妹以外の女の子を部屋に入れるのは、は、初めてかもっ!?
 僕はあたふたと、部屋の掃除も始めた。
 いや、綺麗にしていたつもりだったけど、やっぱり……ね。
 いろいろとしまっておかないといけないものだってあるし………。

 ばたばたと片付けも終了。
 気づけばいい時間になっていた。
 ううう、何だかさっきよりも余計に緊張しているような気がする……。
 美咲ちゃんの前でヘマしませんようにっ!
 そう、いるかどうかもわからない神様に祈って、僕は眠ったのだった。




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